コカ・コーラ社 果汁飲料から違法添加物が検出
泣きっ面に蜂とはよく言ったもので、コカ・コーラ社の2種類の商品が、再び品質ブラックリスト入りした。中国国家質量監督検験検疫総局がこのほど発表した、2012年11・12月の輸入食品・化粧品不合格情報によると、コカ・コーラ飲料(上海)有限公司が輸入する米国産の果汁飲料が、違法添加物を使用していたとして廃棄処分された。同商品の商標は、「GNT INTERNATIONAL B.V.」。またコカ・コーラ社が台湾で生産した爽健美茶は、必要な証書を提供しなかったため返品処分となった。北京商報が伝えた。
炭酸飲料の市場における地位が低下する中、最大手のコカ・コーラ社の地位にもゆらぎが生じている。上述した問題は、品質問題に苦しむコカ・コーラ社にとっては、まさに泣きっ面に蜂だ。
コカ・コーラ社は近年、品質問題が多発している。2012年6月に発表された情報によると、コカ・コーラ社が添加していたカラメル色素から、発がん性物質の4-メチルイミダゾールが検出された。2012年4月、コカ・コーラ飲料(山西)有限公司の社員は、「パイプの工事を行った際に、消毒用の塩素水が9ロットの商品に混入した」と証言した。
相次いで報じられる品質問題を受け、世界売り上げナンバーワンを誇る炭酸飲料最大手のコカ・コーラ社の、消費者イメージが低下している。中国人消費者を対象とする最新のドリンク満足度調査によると、コカ・コーラ社の得点は、主要12ブランドのうち最下位となった。
またコカ・コーラ社の2012年第2四半期業績報告書によると、第2四半期の純利益は前年同期比0.4%減の27億8800万ドルとなった(前四半期の7.9%の増加率を大きく下回る)。つまりコカ・コーラ社の成長率が、昨年より低下を始めていたことになる。
調査コンサルティング会社・中投顧問の食品業界研究員の向健軍氏は、「品質安全問題はコカ・コーラ社にとって、唯一の敵ではなくなっている。ドリンク市場の構造の静かな変化は、コカ・コーラ社にさらなる圧力を加えている。今後のドリンク市場において、炭酸飲料の市場シェアは、果汁飲料・お茶・機能性飲料などの健康保健飲料によって食い込まれるだろう。コカ・コーラ社が方針を変更しなければ、今後の先行きを楽観視することはできない」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年2月21日