日本のJR西日本は2月28日に記者会見を開き。昨年12月に起きた新幹線の台車亀裂事故の調査結果を発表した。調査の結果、列車を製造した川崎重工が製造過程で設計上の要求を遵守しなかったため、品質が基準に満たない製品が製造され、これが今回の事故が起きた主な原因であることがわかったという。「経済日報」が伝えた。
昨年12月11日、博多発東京行き新幹線「のぞみ34号」の走行中、乗客から異臭と異常な音がするとの指摘があり、名古屋に停車して検査したところ、歯車箱付近に油漏れが見つかり、運行中止になった。その後の検査と調査でわかったことは、乗客をヒヤリとさせるに十分なものだった。台車に亀裂があり、鋼鉄製の台車枠の底面には段ボールのように16センチメートルの亀裂が走り、上部は3センチしか残っておらず、断面にも亀裂が生じていた。JR西日本によると、鋼材が完全に断裂すれば、脱線して重大事故を引き起こす可能性があった。日本の国家運輸安全委員会は今回の事故を、「日本の新幹線輸送の歴史の中で初めての重大事故」と位置づける。
JR西日本の社長は記者会見で、「旅客輸送の過程で発生した車両事故については、特にたくさんの乗客に不安と恐怖感を与えたことをおわびする」としながら、話題が事故原因の調査に及ぶと一転して、「真摯に調査を行った結果、問題は工場での製造段階にさかのぼることがわかった。2008年に列車を製造した川崎重工は設計図の要求を遵守せず、本来は車両と歯車箱の底面を接合するのに8ミリ厚の口型鋼材を使用して幅16センチ、高さ7センチの底面を製造しなければならない。だが問題の工場では製造過程では、台車枠と歯車箱をぴったり接合するため、底面の鋼材が薄く削られ、一番薄いところでは4.7ミリメートルしかなく、耐久性に深刻な問題があった。通常であれば、底面の寿命は走行距離120万キロメートルから150万キロだが、この車両は57万キロで金属疲労を起こして亀裂が入った」と述べ、責任は川崎重工にあるとした。
それだけではない。複数の鉄道会社による調査の結果、不合格の製品はこれだけではないことがわかった。JR西日本は川崎重工が製造した台車303台のうち、100台は基準を満たしていないこと、さらに6台は亀裂が生じ、鋼材が削られて最も薄いところは4ミリしかなかったことを確認した。この6台の台車はすべて交換された。
同日、川崎重工も製造責任を認め、「品質管理に問題があった」として謝罪した。同社によると、調査により製造過程の技術の細かい部分をすべて現場任せにしていた。企業の製造管理部門は現場の作業の詳しい内容を確認することもなく、管理をおろそかにしていた。。同社は現場での品質管理を強化し、同じような事件が再び起こらないようにするという。日本の国土交通省も、製造と運営・メンテナンスに対する監督と検査を強化する方針を示した。
資料をみると、JR西日本には痛ましい教訓がある。2006年4月に福知山線の快速列車が脱線して100人以上が亡くなり、同社はその後、「安全第一」をモットーに努力を重ねてきた。だが今回の事故では乗客から異臭の指摘がありながら、新幹線は高速で3時間走り続けた。乗客たちは同社の安全管理体制に疑問を抱いている。
最近、日本の製造業の不祥事が相次いでいる。三菱自動車の燃費不正問題、日産自動車の無資格検査問題、神戸製鋼所のデータ改ざん問題など枚挙にいとまがない。新幹線の車両の安全性問題もその一つで、事故が起きるたび生産現場や作業員の責任が追及されるが、事故が映し出すのは日本企業の品質管理や安全管理の意識の希薄さだ。「メイド・イン・ジャパン」の看板はいつまで力を持ち続けられるのか、事故が起きるたびにまた一つ大きな疑問符がつく。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年3月2日
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