百年の歴史をもつ日本の東芝グループにとって、終わったばかりの2017年は実に大変な一年だった。12月26日にはグループの東芝通信インフラシステムズ株式会社で過去4年間の長きにわたり原価の不正計上が行われていたことが明らかになった。これは東芝にとってまさしく泣き面に蜂だといえる。11月に資金調達のため子会社の東芝映像ソリューションの株式の95%を譲渡しただけでなく、米子会社ウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニー(WH)の売却も検討し、新株式発行により6千億円の資金を集めた矢先の出来事だったからだ。「国際商報」が伝えた。
原子力発電事業で勝負を間違った東芝だけでなく、ここ数年、シャープ、パナソニック、ソニー、日立といった日本の老舗大手電子企業が次々に財務危機に見舞われ、資産を現金化して生き残りをはかるしかなくなっている。最近のデータ改ざん事件も日本企業の世界的な信用に暗い影を投げかけた。
▽生き残りはかる東芝
東芝のテレビ事業売却益は129億円とみられるが、焼け石に水に過ぎない。東芝の決算をみると、2016年度(16年4月1日~17年3月31日)の純損失は9657億円に達し、日本の製造業企業の通年の損失記録を塗り替えた。また東芝にとっては3年続きの赤字となった。東芝が長年にわたり足を引っ張ってきた「お荷物」のWHの売却を検討したのは、WHが破産して東芝がますます苦境に追いやられるようになったからだ。
こうした状況について、南開大学日本研究院の劉雲客員研究員は、「市場で主導的役割を果たすエコノミーのうち、資本は企業に対して、特に企業の方針決定に対して影響力が大きく、資本と株式の構造が企業の再編や戦略の発展などを決定づける」と指摘する。
劉氏は、「資本側からみると、東芝の事業売却は資本のリターン率向上や株式市場での株価上昇にプラスだ。不良資産の切り離しができるし、優良資産の売却は収益率向上のためのよい手段でもある。東芝をはじめとする日本企業の生き残りをかけた動きは直接金融の特徴に合致しており、市場も調節機能を発揮した。16年に日本のソフトバンクグループが阿里巴巴(アリババ)の筆頭株主としてアリババ株の一部を売却したのも、同じように収益率を向上させ、企業は一定の収益水準に達するべきというニーズに応えるためだった」と述べる。
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