劉氏は、「資産の切り離しや再編によって問題の解決をはかるのは、国際市場で企業がよく行うやり方で、こうした角度からみると、日本企業の事業売却は正常な行為だといえる」と指摘する。
東芝は原発子会社であるWHの関連資産を売却する計画で、第三者割当による新株式方式でより早く資金を調達したいとしており、総発行額は約6千億円に上るという。また18年3月末までに7500億円の債務超過を解消したい考えだ。
劉氏は、「東芝の売却する事業をみると、WHとの間で合意に達すれば、米ベインキャピタル社に半導体メモリー事業を売却することが可能になる。その他の売却する一部資産、これに新たに発行する6千億円の株式を合わせると、東芝の全体的なバランスシートは大幅に改善する見込みだ。もしもこれから東芝が戦略配置を調整し、優位性を発揮し、ブランドイメージを再構築できれば、生き残り策は東芝にとってよい一手になる」と指摘する。
▽「見えない大手」になりたい
美的が東芝の白物家電事業を買収し、鴻海がシャープを買収し、聯想(レノボ)がNECのPC事業を買収し、財務面で強いプレッシャーを受け続ける日本家電製造業は輝きを失ったようにみえる。
だが劉氏はそのような見方はせず、「家電産業は日本企業にとってもはやミドルエンドやローエンドの産業であり、手を引けばハイレベルで精度が高く最先端の技術にもてる力を集中させることが可能になる」と指摘する。米トムソン・ロイター社が発表した世界企業革新(イノベーション)ランキングでは、上位100企業のうち日本企業が40社を占め、米国を抜いてトップだ。また新興技術分野では、米マッキンゼー・アンド・カンパニーが発表した未来の12大新興技術について、日本は全力を投入して研究開発を進めており、日本企業はこのうち9割で世界のトップクラスに入るという。特に新材料、エネルギー貯蔵、ロボット、資源のリサイクル、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどの分野で日本の活躍が目立つ。
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn