最近、中国のネット上では、中国版「深夜食堂」が大きな議論を巻き起こしている。「おもしろくない」と評価するネットユーザーも多く、「中国版は中国らしさがない」というコメントもある。山西省の太原駅近くの路地には夜食の「インスタントラーメン専門店」があり、営業時間は夜9時から翌朝6時まで。「二十九年インスタントラーメン」と書かれた簡素な看板が掲げられている。非常に質素であるにもかかわらず、地元ではこの店を知らない人はおらず、ネットユーザーからは真の中国版「深夜食堂」と呼ばれている。一財網が報じた。
この店でインスタントラーメンを作る薛さんは山西省臨県出身で、「初めは一人でこの店を始めたが、今は妻と息子夫婦も手伝ってくれている。以前は煮込んだインスタントラーメンだけだったが、今は炒めたインスタントラーメンや肉の串焼きも売っている。店は小さいけど、1日に最低200食以上のインスタントラーメンが売れ、多い時なら300食は売れる。孫にこの店を継いでほしいと思っているほど」と話した。
商売が繁盛しているため、近所の人は、「1年でBMWが買えるほど儲かっているとみんな言っている」と冗談交じりに話した。一方、湯気が上がる鍋の横で、薛さんは、「一生懸命働いて稼いだお金」と笑顔で話した。提供しているのはシンプルなインスタントラーメンに過ぎないが、子供のころから大人になるまでそれを食べ続けているという人も多い。
薛さんの店ではインスタントラーメンを10元(約165円)で販売し、毎晩200-400食売れている。1食当たりのコストが約2元(約33円)とすると、1食当たり8元(約132円)の利益になり、200食でも1600元(約2万6400円)儲かる計算だ。それに、肉の串焼きが1日に2000-3000元(約3万3000-5万円)売れていると計算すると、1年で100万元(約1650万円)以上儲かっていることになる。
店にいた客を見ると、夜勤のタクシーのドライバーが3-5割ほどで、乗せた客のエピソードについて語り合っていた。また、残業上がりの労働者が、イスに座って慣れた手つきで具や味付けをしているほか、クラブでの仕事を終えてやってきたメイクバッチリで、ハイヒールを履いた女性がゆっくりとインスタントラーメンを食べていた。その他、夜に到着する列車に乗ってやってきた旅客がカバンを抱えてインスタントラーメンを食べていた。20年以上も続く薛さんの店で、多くの地元の人は懐かしい味を楽しんでいる。
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