〇「和諧号」に比べ、「復興号」が優れている点は?
まず、安全性が良好な点が挙げられる。時速350キロの状況で、「復興号」の脱線係数は0.2から0.3の間で、国際基準は0.8。中国工学院院士で西南交通大学の翟婉明教授は、「脱線係数は、低ければ低いほど良い。これは、京滬高速鉄道の動態安全性に何の問題もないことを裏づけている」と指摘した。
次に、快適性も素晴らしい。時速350キロの状況で、「復興号」の安定性指標は約2.0。翟婉明教授によると、国際基準では2.5以下なら「優」の部類に入るという。「復興号」の指標は、サスペンション設計の素晴らしさを反映しており、「和諧号」を上回っている。このほか、「復興号」の運転室とデッキの騒音は「和諧号」より4デシベル低く、トンネル通過中の快適性がより高まっている。
コストパフォーマンスもより優れている。時速350キロの状況で、「復興号」の総使用電力量は「和諧号」より10%少ない。中国鉄道科学研究院(鉄科院)機車車両所の張波・研究員は、「北京-上海間を1往復する場合、『復興号』の電力使用量は『和諧号』より約5千キロワット少なくて済む」と話した。
中国鉄路総公司の陸東福・総経理は、「『復興号』が京滬高速鉄道上で時速350キロ走行を実現することは、党十八大(中国共産党第十八回全国代表大会)以降の中国高速鉄道事業発展における重要な成果であり、中国の高速鉄道発展の新たな1ページが開かれたことを意味する。『復興号』は中国基準であり、中国が自主開発した知的財産権であり、中国が時速350キロの高速列車を開発・製造する能力を備えている上、安全走行を実現できることを証明している」と話した。
〇9月のダイヤ改正で速度アップ、値上げなし
中国が運営する2万2千キロメートルに及ぶ高速鉄道ネットワークのうち、約3分の1は350キロの設計時速に基づき建設されている。だが、いずれも時速300キロ以下で運営しているのが現状だ。
京滬高速鉄道で真っ先に時速アップが行われる理由は何か?中国工程院の杜彦良・院士は、以下の見方を示した。
「京滬高速鉄道は、中国でこれまで建設されてきた中でも、距離が最も長く、技術水準が最高の高速鉄道だ。6年におよぶ営業実績から、線路の安定性、列車の快適性などすべてがもとの設計基準に達していることが証明されている。国家による検査を経てスピードアップが行われるのは当然のことだ。同高速鉄道の設計時速は350キロだった。営業時速が設計時速基準に達することで、技術面で最良のバランスが満たされるだけではなく、経済社会の発展需要も満たされる」。
何華武・院士は、「今年9月に京滬高速鉄道のダイヤ改正が実施された後、7本の『復興号』が時速350キロで走行する予定で、北京-上海区間を結ぶ列車が中心となる。だが、北京と上海を直通で結ぶ列車は全体の20%もない。『復興号』の投入が増えるにつれて、今後は時速350キロで走行する列車の本数は増えるだろう」と指摘した。
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