中国科学院チベット高原研究所の姚檀棟所長が率いる科学観測隊10人が13日、ラサ入りした。明日より阿里地区に移り、昨年に氷雪崩が2回発生した阿汝氷河を調査する。今回の科学観測は米国の有名な氷河専門家のロニー・トンプソン氏を招いており、姚氏とトンプソン氏はベガ賞受賞者という錚々たるメンバーとなっている。科技日報が伝えた。
中国科学院氷凍圏国家重点実験室の専門家はメディアに対して、「阿里地区の氷雪崩は単発的な出来事ではなく、林芝地区南伽巴瓦峰などのエリアの氷河の躍動による複数回の氷雪崩と同じく、氷河の周期的な活動だ」と述べた。
しかし姚氏は過去数十年間の観測に基づき、阿里地区氷河は低温、低蓄積量、緩慢な変化、緩慢な流れを特徴とする、極めて安定的な氷河だと判断した。南伽巴瓦峰などの険しいエリアの氷河躍動による氷雪崩は、阿里地区の安定的な氷河で突如発生した大規模な氷雪崩とは異なる。低温氷河の氷と岩は凍って一体化している。姚氏の言葉を借りるならば、「人類が文字で記載を開始してから、チベット高原でこのような氷雪崩が発生したという報告はない」ということになる。
阿里地区の氷雪崩の原因について、学界ではさまざまな意見があるが、温暖化と降水量の増加が氷河の変化を主導したという観点が広く受け入れられている。大多数の科学者は、類似する氷雪崩がまだ発生する可能性が高いとしている。そのため今回の科学観測では、氷雪崩が引き続き発生するのかどうか、またもし発生するならばその場所や時期を調べることを目的としている。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年7月14日
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