東野氏の頂点を示す「容疑者Xの献身」は、何ヶ国語にも翻訳され、直木賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した作品だ。主人公は天才数学者・石神哲哉とアパートの隣室に住む花岡靖子。娘と身を寄せ合って暮らしていた靖子は、暴力を振るう元夫を誤って殺してしまい、救いの手をさしのべた石神の指示によって、思いがけないトリックをしかけていく。
東野氏の作品にまったく欠点がないわけではない。豆瓣網でも「『人魚の眠る家』は言いたいことはシンプルなのに、冗長な繰り返しが多く、読んでいて非常につまらなかった」というコメントがみられたり、「東野圭吾の小説は言葉がぶちぶち切れている」と評する人もいる。黎さんは、「これは日本語の表現方法や文章作法と関係がある。日本の作家は1つの出来事の前後関係をはっきり描写することを好むが、東野圭吾の言葉は相対的に簡潔だといえる」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年7月13日
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