北京理工大学の鄧玉林教授が率いる科学研究チームは、中国が独自に設計・開発した科学実験装置を国際宇宙ステーション(ISS)に送った。本件は宇宙科学事業をめぐる中米協力の「雪解け」の旅とされている。光明日報が伝えた。
中米の宇宙科学事業の協力の進展は長期的に緩慢な状態が続いており、中国人科学者がNASAを訪問した際に不等な扱いを受けたこともあるほどだ。こうしたことを引き起こした重要な原因となっているのが、米議会で2011年に可決された「ウルフ条項」だ。この条項はフランク・ウルフ元議員が作成し推進したもので、NASAに関連する、もしくはホワイトハウス科学技術政策局が連携する中国とのすべての科学研究活動を禁止した。さらにはNASAのすべての施設に対して、「中国からの公式の訪問者」の受け入れを禁じた。
科学技術が発展していくにつれて、同条項はすでに「独りよがりの堅持」になりつつある。
中国系米国人で元宇宙飛行士の焦立中(リロイ・チャオ)氏は、「私は協力、特に民間による宇宙探査を手段とする協力が、米中両国が前進する最良の手段だと常に信じている」と述べたことがある。北京理工大学の■玉林教授(■は登におおざと)は、「科学探査は国際協力が必要だ。我々は純粋な科学研究を行い、成果で全人類に福をもたらす」と話した。
米国の宇宙業界では、中国の科学研究チームと協力を展開もしくは拡張することを希望するのは決して珍しい意見ではない。米宇宙事業を専門的に取り扱う弁護士は、「米国では毎年この問題が議論されている。今年はウルフ条項を廃止したい」と述べた。米ナノラックス社の設備事業担当者は、「我々はこれにより協力の積極的な姿勢を示し、最終的に各国に利益をもたらしたい」と明言した。
現在、世界の宇宙事業は商業化の時代を迎えており、ビジネスモデルは中米の宇宙事業をめぐる協力を拡張する好機だ。
低コストで商業化された宇宙事業モデルにより、多くの科学者が宇宙プラットフォームを利用し先進的な科学研究を行うチャンスを手にする。今回のビジネスモデルの宇宙事業における「雪解け」となる協力は、より多くの中国の科学プログラムがISSを利用し実験を提供するため、参考材料と経験をもたらす。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年6月15日
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