米ワシントン現地時間6月1日午後3時、米トランプ大統領は、ホワイトハウスにおいて、米国は「パリ協定」から離脱することを発表した。
米国の「パリ協定」離脱後に影響について、研究者や科学者は、「世界の約200ヶ国が批准している気候に関するこの協定から米国が離脱すれば、化石燃料による汚染を規制している他の国々にドミノ効果が生じる可能性がある。これが現実化すれば、気候変動の危機を人類が食い止めることがほぼ不可能となり、さらに危機が差し迫るであろう」という結論に達した。
○気候変動の危機は避けられない
2015年12月に開催された「国連気候変動枠組条約」第 21 回締約国会議(COP21)において、条約締結に臨んだ約200ヶ国が「パリ協定」を採択、地球温暖化抑止に向けた2020年以降の取り組みが定められた。「パリ協定」によると、締結各国は、気候変動の危機に対する世界的な対応を強化し、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃以内に抑え、可能であれば1.5℃以内に抑えるよう尽力する。また、できる限り早期に世界の温室効果ガスの排出量をピークアウトし、今世紀後半に人為的な温室効果ガスの排出と吸収源による除去の均衡を達成する。
マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営学大学院やロックフェラー・ブラザーズ・ファンドが支援するモデリング研究チーム「クライメイト・インタラクティブ」は、「トランプ大統領の行動は、今後の見通しをより暗くするように見られる」との見方を示した。彼らの推測によると、米国が「パリ協定」を離脱すれば、世界の平均気温は2100年までに、産業革命以前に比べ、基準の3.3℃を上回る3.6℃(華氏6.4度)上昇する見通しという。
〇米国離脱後に起こり得るドミノ効果
CO2排出量が世界で2番目に多い米国が、約200ヶ国が批准している「パリ協定」を離脱するとなると、数千億トンのCO2が大気圏に入り込む状況を招き、進行している地球温暖化がさらに加速するという事態を招く可能性がある。これは、先進国が発展途上国のCO2排出削減のために年間1億ドル(約111億円)の資金拠出を行うという合意を脅かし、さらには世界の気候変動に対抗する政治的基盤を揺るがす恐れがある。
英オックスフォード大学環境変動研究所地球システム科学のMyles Allen教授は、ブルームバーグの取材に対し、「最も重要な問題は、米国の離脱によって、米国の投資家や公共事業企業が実際に新しい工場を建設することで、大量のCO2排出現象がもたらされるか否かという点だ」と指摘した。
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