古川さんによると、生徒に言語学習に対して意欲を持ってもらえるかは、その国について少しでも理解してもらえるかにかかっている。
「私は日本のおやつをみんなに配り、アニメや映画などを通して、学生に直観的に日本の文化に触れてもらっている。カリキュラム『日本の概況』で、私は生徒に日本の華道や茶道について知ってもらい、そこに含まれている人生の哲理にも触れてもらっている」。
日本語を教えることを専門に学んだものの、古川さんは、それは決して簡単なことではないと感じており、「大学で学んだ知識だけを頼りに日本語を教えれば、生徒に日本の経済や文化などのことをリアルに理解してもらうことはできない。例えば、『日本の経済の概況』の授業をする時には、リアルタイムな日本の企業の状況やニュース、関連のビジネス情報を把握しておき、最新の情報を生徒に伝えなければならない」と話す。
大学を卒業してすぐに中国に来た古川さんは、生徒にとっては「先生」であり、「友人」でもある。
衛さんによると、「日本語の時制は中国語にはないため、よく忘れてしまう。敬語も、丁寧語、尊敬語、謙譲語、美化語などがあり、よく変化する。どれをいつ使えばよいのかよく分からない時がある。先生は『そのような時は、何度も何度も練習するように』とアドバイスしてくれるほか、日本のおやつの包装に書かれた尊敬語を一緒に探したり、間違った敬語表現がないかチェックしたりする。おやつを食べながら授業で楽しく学び、また『間違うことを恐れずに』と先生が励ましてくれたから、日本語学習に対する自信をつけることができた」という。
今学期が終わると、古川さんは充電のために日本へ帰るといい、「今の知識だけでは、ちゃんと教えることができないので、帰国して勉強し、また一からスタートしたい」という。
もうすぐ中国を離れる古川さんは、「日本に帰っても、北京の胡同(細い路地)やピリ辛ザリガニ、麻辣香鍋(野菜や肉を炒めたピリ辛料理)などの味が恋しくなると思う。北京の地下鉄網はどんどん広がり、交通機関も便利になっている。また、モバイルインターネットの普及でデリバリーや決済も便利になり、中国のスーパーで売られている日本のおやつも増えている。中国で起きているこのような変化や食べたことのあるグルメなどについて、日本の家族や友人らに伝えたい」と話した。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年5月22日
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