日本の映画監督、テレビドキュメンタリー演出家である是枝裕和は、ポスト小津安二郎と言われている。その監督作品には、「そして父になる」、「誰も知らない」、「幻の光」、「海街diary」、「歩いても 歩いても」、「花よりもなほ」などがあり、カンヌ国際映画祭審査員賞・エキュメニカル賞特別表彰を受賞したこともある。彼の作品は社会に対する思いがテーマになっていることが多く、ヒューマニズムの色が濃く、素朴な作風で、内省的な作品が多い。(文:袁雲児。北京日報掲載)
記者:今年の北京国際映画祭では8作品が上映され、どれも大きな人気を集めましたが、これほど人気になっているのはご存知でしたか?
是枝:本当に知らないので、びっくりしている。ここ数日、中国でとても盛りあがっているようだが、私の作品のどの部分に興味を持ってくれているのか、中国の方に聞いてみたいと思っていた。
記者:是枝さんの映画作品は商業的にも芸術的にも大きな成功を収めていますが、その秘訣は何ですか?
是枝:実際には全てが売れたわけではない。「幻の光」、「誰も知らない」、「ワンダフルライフ」の興行収入はあまり伸びなかった。黒字になったのは最近の3作品ぐらいで、出資者や配給会社も満足している。興行収入も確かに重要で、それが良ければ次の作品を作るチャンスをもらえる。でも、僕は映画を作る時は興行収入をそれほど重視しておらず、そのために映画を作ることはない。僕が重視しているのは周囲の人物や物語で、一般の観客を対象にして映画を作っている。これも僕の作品の価値と魅力だと思っている。
記者:是枝さんの作品は家庭、特に離婚や新生児取り違えなどの問題を抱えた家庭をテーマにしていることが多いですよね。
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