2017年9月8日  
 

中日対訳健康知恵袋 企画集 北京のお気に入り

新着|政治|経済|社会|文化
中日|科学|動画|対訳|企画
Apple新浪ツイッターFBLINE微信RSS
人民網日本語版>>経済

李総理が豪州へ 中国企業の受注促進 協力の恩恵共有

人民網日本語版 2017年03月29日08:42

中国とオーストラリアの経済貿易協力の注目点はと聞けば、鉱産物、ワイン、ロブスター、乳製品を第一印象として挙げる人が多いと思われる。だが李克強総理が24日、オーストラリアのマルコム・ターンブル首相とともに、協力文書8件の調印を見守った様子を見ると、こうした固定観念は「刷新」される。

協力文書の内容は中国・オーストラリア自由貿易協定(FTA)、気候変動、文化、教育など多岐にわたる。最も注目されるのは、50億オーストラリアドル(約4199億円)規模のインフラ建設大型プロジェクトだ。同プロジェクトの協力覚書に調印したのは中国建築工程総公司とオーストラリアのBBIG社。双方は今後、西オーストラリア州での港湾、鉄道インフラ、高品位鉄鉱石資源を埋蔵する鉱山が一体化した大型総合プロジェクトの建設で力を合わせることになった。

これは中国が建築分野でオーストラリア市場に進出した初めてのケースで、中国国内にニュースが伝わると、同公司の株価は急上昇し、一時はストップ高になった。

李総理は24日に中国・オーストラリア経済貿易協力フォーラムで講演した際、「中国とオーストラリアは発展段階が異なり、資源の分布も異なり、産業には高い相互補完性があり、投資協力には大きな可能性がある。双方の協力では『ヒツジの背中にまたがる』、『鉱山の上に立つ』だけでなく、『高速鉄道に乗る』ことも必要だ」と述べた。

李総理は、「さきに、オーストラリアは500億オーストラリアドル(約4兆2950億円)のインフラ投資計画を提出し、鉄道、道路、空港などのプロジェクトが含まれていた。中国企業は設備、プロジェクト建設などの面で優位性があり、双方の深いレベルでの協力には広大な可能性がある」と指摘した。

今回、李総理が見守る中で調印された大型インフラプロジェクトは、オーストラリアの「北部大開発」における重要プロジェクトの1つで、西オーストラリア州ピルバラ地域北中部の沿海地域に260キロメートルに及ぶ鉄道と港湾施設を建設し、現地の鉄鉱石鉱山の輸出サービスを提供し、中豪FTAにおける両国間の経済貿易活動を力強く推進するものとなる見込みだ。

中国人民大学国際関係学院の王義■(木へんに危)教授は、「李総理の今回の新しい年になって初めての外国訪問が中国企業にもたらしたメリットは時価総額の増加にとどまらない。より重要なことは中国の設備や標準の海外進出をもたらしたこと、中国の優位性のある生産能力と設備製造を中国の『新しい名刺』に発展させたことだ」と指摘する。

李総理はかつて中国核電工程有限公司を視察した際、「中国製造(メード・イン・チャイナ)は初めは代理加工としての消費財製造が中心だったが、今では大型設備製造業の海外進出という新たな段階に突入した。そのためにはシンボルとなるプロジェクトが必要だ」と述べ、また原子力発電の関係者が国際市場での競争に乗り出すことを奨励して、「これは中国製造の名誉が世界に行き渡るだけでなく、中国の設備の名誉が天下に行き渡るということでもあり、中国国内の製造業の不断のバージョンアップにつながるものでもある」と述べた。

中国設備の海外進出を促すのは李総理の計画の重点でもある。「アフリカの屋根」と言われるエチオピアで、李総理は中国企業が現地で建設を請け負った初の軌道交通プロジェクトを見学し、中国設備の海外進出の「攻略点」を確立するよう奨励した。また李総理が主催した国務院常務会議では、中国設備の海外進出をどうやって加速させるかという議題をめぐり、参加者が丸々2時間もかけて討論し検討を行った。

メディアのまとめた統計によると、李総理は14年だけでも12カ国を訪問し、その足跡はアジア、欧州、アフリカの3大陸に及び、訪問中に少なくとも251件の大型プロジェクトの調印が行われ、金額は1400億ドル(約15兆4840億円)を超えた。その中で特に大型のプロジェクトは、高速鉄道、道路、エネルギー、民生などの分野のものだ。

李総理は、「これは中国経済の質向上、効率向上、バージョンアップを実現させる重要な措置であり、対外開放の新たな優位性を育成し、輸出入に強い開放型経済の新局面形成を推進し、中国経済と世界経済がより高い次元で深く融合する上でプラスになるものだ」と述べ、中国設備の海外進出と国際生産能力協力の加速が中国経済に対してもつ重要な戦略的意義をこのように説明した。

深い意義が感じられるのは、中国企業がインフラ大型プロジェクトを受注してまもなく、北京のシェアリング自転車企業がシドニー市場への進出準備を開始したことだ。世論では、中国のインフラ建設企業がオーストラリアのような先進国の市場を開拓したことの意義は重大だが、これは始まりに過ぎないことを誰もが知っている、との見方が広がる。(編集KS)

「人民網日本語版」2017年3月28日

関連記事

コメント

最新コメント

アクセスランキング