シンガポール–マレーシア高速鉄道はどうか。両国政府は昨年12月に同プロジェクトに調印し、今年は入札を行う計画だ。すでに多くの国の企業が建設に参加したいとの意向を示しているが、外界では、最終的な戦いは中日の間で繰り広げられることになるとの見方が一般的だ。シンガポール紙「ザ・ストレーツ・タイムズ」の報道によれば、シンガポールは車両や信号システムで経験豊富な日本に傾いており、膨大な費用の大部分を負担するマレーシアは中国により傾いているという。
アジア横断鉄道という大きな流れの中で、シンガポール–マレーシア高速鉄道とタイ–マレーシア高速鉄道の建設がもつ意義は重大だ。1995年に、当時のマレーシアのマハティール首相が第5回ASEAN首脳会合で、アジア横断鉄道の構想を初めて提起し、メコン川流域の範囲を超えた、マレー半島の南端にあるシンガポールから、マレーシア、インドシナ半島の5カ国を経て、中国の昆明に至る鉄道の建設構想を打ち出した。
アジア横断鉄道の起点として、シンガポール–マレーシア高速鉄道とタイ–マレーシア高速鉄道をめぐる戦いの中で、中国は明らかに地理的優位性をもっている。中国の高速鉄道を採用するということは、上記の鉄道が中国大陸部の高速鉄道網にスムースに連結できるということで、相互接続の利便性を極めて大きく高めることになる。
福建省にある華僑大学国際政治学部の黄日涵学部長はさらに踏み込んで、「東南アジア諸国は中国と国境を接し、中国とごく自然に密接な協力関係にある。中国の高速鉄道を東南アジアの鉄道と連結させれば、地域を結んで鉄道網を発展させ、『一帯一路』(the belt and road)の呼びかけで言われたインフラの相互連結を達成できるだけでなく、中国とインドシナ半島諸国との貨物貿易協力をより緊密なものにすることができる。これは互恵・ウィンウィンのよいことだ」と述べた。
▽知名度を上げるためにコストをかけるべきではない
過去数年間を振り返ると、中国高速鉄道の海外進出が始まって以来、日本はずっと影が形により添うように強力なライバルとして存在していた。シンガポール–マレーシア高速鉄道、タイ–マレーシア高速鉄道、フィリピン鉄道は、両国の高速鉄道をめぐる海外での競争の新たな戦いの場に過ぎない。
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