また、周博士は、以下の通り続けた。
「この群体は、中国に昔から存在していた。だが、数年前から、若者が学校を卒業して家庭を持つまでの期間が長くなったことで、その存在が目立つようになったに過ぎない。若者の一人暮らしが増えている背景には、住宅価格の上昇、仕事上での競争激化やストレスの増大などの要因もある」。
「このような状況について、社会は多様化した評価システムを構築しなければならない。収入だけを成功の指標とせず、家族・同僚・友人で構成される社会の『輪』を形成し、『空の巣』が『心がからっぽの状態』とならないように努めるべきだ。交流する範囲があまりにも狭いという若者もセルフコンディショニングをより良く行い、社会的責任を自ら背負うよう心掛ける必要がある」。
「空の巣青年」は、社会各界の関心も呼び起こした。中国の民間団体「好奇心研究所」は、「空の巣青年」を対象とした社会調査を実施し、彼らの消費習慣について、次のような結論を出した。
〇広いスペースの部屋を借りる経済力はないが、部屋をオシャレに見せることを非常に重視する。
〇大型調理器具は実用的ではなく、小型の電子炊飯器を購入する傾向がある
〇「空の巣青年」は、仕事と休息に関する制約がないため、24時間サービスを提供するコンビニエンスストアに大いに依存している
安徽省社会科学院社会学所の顧輝・副研究員は、次の通り分析した。
「今後、『空きの巣青年』の数は増えこそすれ、減ることはない。これまでは、人々の生活はさまざまな『集団』の中にあり、個人は集団に所属しやすかった。だが、現在は各個人が独立傾向にある。このほか、企業など各機関の経済機能が単一化し、社区(コミュニティ)の人口流動が激しくなったことも、不安定性を増長させ、不安感をもたらしている。都市のコミュニティは各機能をより充実させ、各個人が集団への帰属感を抱けるような存在を目指す必要がある。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年3月3日
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