農民の票がほしい各政党も背景
政治的背景も、日本で食の安全性に対する注目が高まる原因となっている。日本の各政党の競争においては、農民の票が都市部の人々の票よりも大きな価値を帯びている。
都市の商工業者と異なり、農民の仕事は単純で利害が一致しているため、結束しやすい。また、日本全国の農民は全て農業協同組合(農協)に所属しており、その会員には落ち着いた人が多く、投票率が高い。農民は保守主義な政治の基礎となっており、長年政権を握っている自民党は、創設時から農協の大きな支持を得ている。自民党だけでなく、他の政党も農民の支持を頼りにしている。彼らの票を獲得するため、各政党は農民の機嫌を取ることのできる農業保護政策を打ち出す。保護政策が社会的な支持を得るための都合の良い口実となっているのが「食の安全」だ。21世紀に入り、食の安全性を中心にし、農民の利益を趣旨とした農業保護が、日本が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などの国際自由貿易体系に参入するにあたって最大の足かせとなっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年1月9日
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