中国の「春晩」を生中継するニコ動のサイト。
「軍事パレードの生中継」で大きな反響
ずば抜けた話題を作る、または他のメディアが採用しないような人物に声を上げさせるプラットフォームを提供する、というのがニコ動コンテンツの目標だ。2012年に、ニコ動は日本の党首討論会のネット生中継を独自に始めた。当時の首相であった野田佳彦氏と自民党党首の安倍晋三氏はニコ動で党首討論を行い、140万人超が視聴し、コメント数は50万にも上った。これは、日本のインターネット発展の歴史の新たな一ページとなった。
ニコ動が中国人にも知られる存在になったのは、日本と中国を驚かせるようなことを行ったからだ。それは、2015年9月3日に行われた中国抗日70周年軍事パレードを生中継し、日本の生中継メディアの先駆者となったことだ。この生中継を行った発端について、松本部長は、「数年前に、ニコ動は中国映画の『南京!南京!』を放送し、大きな反響を呼んだ。このことを受けて、2015年に9月3日中国で行われた軍事パレードの前に、ニコ動は中国中央テレビと提携し、非常に低いコストで独占生中継権を獲得した。中国は大国であるが、日本の隣国として、多くの日本人が本当の中国の姿を見たことがなく、中国に対してあまり理解していない。このような大型プロジェクトを通して中国の現状を知ってもらい、中国政府や中国の国民の考えを理解してもらうためには良い方法となるだろうと考えたからだ」と話した。
また、松本部長は、「軍事パレードの生中継に対して、日本のネットユーザーたちは積極的な反応を見せ、さらに官公庁で働く職員も視聴しており、生中継画面はコメントでほぼ埋め尽くされた。軍事パレードの生中継の大成功の後、ニコ動は2015年の『春晩』(春節<旧正月>を祝う中国の国民的年越し番組)、2016年の全国人民代表大会の開幕式、杭州G20サミットなどの中国のビッグイベントを生中継した。5-10万人のユーザーがこれらの番組を視聴した。この数字は日本における視聴率にしては比較的高い」としている。
さらに、松本部長は、「中国のイベントを生放送することによって、中国に対する偏見をなくし、中日両国の交流促進につながり、さらには日本の視聴者の問題のとらえ方を浮き彫りにすることができる」とした。「中国を生中継する一部の番組の内容は少々過激であり、ニコ動はこれにより日本からの圧力を受けている」と中国メディアに報じられたこともあった。このことに関して、松本部長は、「全く何の干渉も受けていない。それどころか、中国を生中継するのはまだ始まったばかりで、これからは中国側とより広い分野で協力したい」と話した。
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