「基礎研究は、誰からも理解してもらえず応援もしてもらえない。研究者は、一人で黙々と地道な研究を続けなければならない。日本のノーベル賞受賞者の多くは、元々無名だった」と凌さん。
しかし、「近年、日本の学術研究の雰囲気は悪化している。小保方晴子の事件が起きるまでは、理研の研究環境は良好で、科学研究経費をいろんな所からもらえるなど、研究の面では『天国』のようだった。しかし、あの事件の影響は大きく、それまでの方針を変えないわけにはいかなくなった。あまりに独特な研究プロジェクトは審査を通りにくくなり、特に末端の研究員は、自分の研究を続けていけるかが分からない状態」という。
日本の科学研究への投入資金が不足するようになるにつれて、科学研究費の申請も難しくなっており、その経費は主に抗ガン薬物の応用研究などに投じられるようになっているため、多くの基礎研究は危機に瀕している。凌さんは、「現在、毎年もらっている研究経費では、助手を2人しか雇うことができない。今後は経費カットの危機さえある」と懸念している。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年11月1日
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