インターネットの発展にともない、とりわけモバイルインターネットの発展にともなって、通信販売も勢いよく発展を続け、オンライン消費が消費牽引の主力軍になった。だが最近になって、ネット消費の伸びが鈍化しており、3年前に比べると勢いが半ば止まってしまった感がある。
国家統計局がまとめたデータをみると、今年第1~3四半期(1~9月)のネット小売額は3兆4651億元(約53兆4752億円)に上り、増加率は26.1%だった。増加率は2014年が49.7%、15年が33.3%で、この3年間は低下の一途をたどっていることがわかる。
国内2大通販企業であるアリババ(阿里巴巴)と京東商城の取引額も増加率が低下している。業界関係者は、「ネット通販は規模の(比較の対象となる)基数が大きく、販売方式が画一的で、品質やサービスに対する消費者の要求がますます高まっており、これらはみなネット通販の増加率を鈍化させた原因だ」と分析する。
中国国際貿易促進委員会国際貿易研究部の趙萍代表は、「中国のECは成長期から成熟期に入りつつある。現在、ネットユーザーが人口の過半数を占めるようになり、この基数が上昇を続けるのにともない、ネット通販の利用者数が徐々に飽和状態に近づいており、伸びが鈍化するのは当たり前のことだといえる」との見方を示す。
中国電子商取引研究センターの莫岱青シニア研究員は、「ネット通販が一定規模に達して『人口ボーナス』を発揮しにくくなったことだけでなく、増加率鈍化には消費者のショッピング行動が理性的になり、消費がバージョンアップして買い物では個性や品質をより追求するようになったことが原因としてある」と指摘する。
中国貿促会研究院がこのほど発表した「中国消費市場発展報告」によると、15年にはブランドや品質に「注目する」とした消費者がネット通販利用者に占める割合は56.40%に達し、14年よりも注目度が高まったことがわかる。
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