打ち上げ現場に集まった2万人以上の観衆の応援を受け、長征7号ロケットは25日夜8時、海南文昌衛星発射センターから宇宙に向けて打ち上げられた。人民網が伝えた。
長征7号は中国の有人宇宙ステーション補給機の打ち上げの需要、未来の有人宇宙飛行に向けたロケットの更新・アップグレードの長期的な需要を満たすため開発された、次世代中型ロケットだ。その動力、新たな設計・構造などの技術的特徴は、全国民から注目される重要な要素だ。
長征7号の全長は53.1メートル、直径は3.35メートルで、サイズ的には大きな変化は見られない。しかし長征7号の積載量はこれまでのロケットを遥かに上回る。4基の2.25メートル級ブースターを搭載、離陸重量は597トンで、低地球周回軌道の積載量は13.5トン、太陽同期軌道は5.5トンに達し、海外の同類ロケットと比べても先進水準に達する。
長征7号は中国が独自の知的財産権を有する2種類の新型液体酸素・ ケロシンエンジンを採用しているため、主な燃焼生成物が水と二酸化炭素であり、汚染が少ないだけでなく、ロケットの性能も向上している。平均コストは従来の推進剤の10分の1に削減された。
長征7号は海南文昌衛星発射センターから初めて打ち上げられたロケットで、一連の技術革新により、新型動力システムと複数のエンジンによるロケットと地上の過酷な力的・熱的環境を克服したほか、同発射場の高温・高湿度、塩分を含む霧、ロケット上部と地上の風力差、雷などの自然環境条件に伴う新たな課題を克服した。同発射場ではロケット上部と地上の風力が異なり、ロケットを立てたまま移動するのが困難になる。耐風性を高めるため、関連部門はロケットに「防風装置」を取り付けた。風速17.2-20.7m/sの強風が吹き付けても、ロケットは移動可能になった。その耐風性は現役ロケットを上回り、雨の中でも打ち上げられる。
ロケットは発射場で垂直組立、垂直試験、垂直移動を行う。現役ロケットは技術エリアと発射エリアで2回接地させる必要があるが、長征7号の場合は1回のみでよく、状態の一致性はより高い。また地上設備は技術エリアで十分に試験可能で、発射エリアに輸送してから故障する確率が低く、打ち上げの信頼性を効果的に高める。これにより打ち上げ作業時間が短縮され、ロケット移動後に気象状況が悪化し技術エリアに戻す確率が低くなる。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年6月27日
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