鴻海精密工業による日本のシャープ買収の手続きは、中国政府当局の反独占法に関する審査プロセスが終了していないため、7月以降に延期されることになった。鴻海集団の戴正呉副社長がシャープの新社長に就任する人事も同じく延期になった。業界関係者の分析では、「こうした動きは鴻海のシャープ再編計画に影響する可能性がある」という。「北京商報」が伝えた。
シャープは6月23日に株主総会を開き、賛成票多数で鴻海の子会社になる議案を承認した。だが鴻海の郭台銘会長はこのほど鴻海の株主総会で、「コスト削減のため、シャープで新たなリストラを行う可能性がある」と発言。シャープの新社長になる戴副社長も、「シャープの経営再編をめぐり、世界全体で約7千人をリストラする可能性がある」と述べ、初めてシャープリストラ計画の具体的な内容を明らかにした。シャープの社員は世界全体で4万3千人おり、7千人ならリストラ率は16%になる。
買収の延期をめぐり、シャープの広報部門関係者は買収に関する中国側の手続きについて、「まだ時間がかかるが、順調に進んでいる」と話す。業界関係者は、「買収延期は鴻海のシャープ再編の延期も意味する」と話す。出資が完了すれば、高橋興三社長は退任し、戴氏をはじめ鴻海が指定する4人の取締役が新たに就任し、新社長には戴氏が就任する予定だ。
シャープ関係者によると、シャープの上層部は6月内に鴻海からの出資を受け入れて、資産が負債を上回るようにしたいと考えていた。また7月1日に上層部が全面的に入れ替わることを考えていたが、どちらも実現しなかった。損失続きのシャープは大量の資金注入によって早急に圧力を緩和する必要に迫られている。シャープが発表した2015年度決算によると、同年の売上高は前年比11.7%減少し、当期の純損失は2560億円に上った。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年7月4日
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