●「煙霧拡散」をいかに実現するか
北京が建設を計画している通風回廊について、市民は、「煙霧の拡散に効果があるのでは」と大きな期待を寄せている。しかし同時に、「煙霧が周辺部に拡散するのではないか」という懸念も巷に広がっている。
プロジェクト研究チームの専門家は、この問題について、次の通り説明した。
煙霧が周辺の省に吹き込むのではないか、という問題は、あまり心配するには及ばない。市街地中心部は、大気の流動によって、汚染物質は、市街地の周辺の広い部分に拡散するほか、上空に向かっても拡散する。汚染物質はだんだんと濃度が薄まっていくため、周辺省に影響を及ぼすことはほぼあり得ない。
実際のところ、通風回廊によって解決されるのは、都市内部の問題に限られる。市街地中心部では、大気の流動性が低いために、生活や生活による汚染物質が大気中に滞る。北京が計画している通風回廊は主に、中心部と郊外の県・区との間の「大気交換」をよりスムーズに行うためのものだ。
プロジェクトチームの研究者は、西部回廊の昆玉河エリアで3カ所を選定し、実測を行った。その結果、通風回廊は、局地的なヒートアイランド現象を緩和することや、大気の流通促進、特にピーク時における大気の交換に効果があることが明らかになった。北京市都市計画設計研究院計画研究室の何永・副室長は、「実測値においても、コンピュータによる試算に基づく数値を見ても、通風回廊が一定の効果を発揮することは明らかだ」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年5月17日