懇談会に出席した小林陽吉さんは、日本の元兵士小林清さんの息子で、日本八路軍・新四軍戦友会の事務局長でもある。
1990年代に天津で病死した小林清さんについて、小林さんは「私の父は、戦争終了後に日本にもどらなかった唯一の日本人八路軍戦士。父は中国を愛し、中国の抗日戦争を支援した。これは父の人生において輝かしい1章となっただけでなく、私や家族にとっても光栄なこと」と語る。
そして、「抗日戦争が終了して70年以上たった今、日本人として、いつの時代よりも過去の歴史から教訓をくみ取ることが肝要となっている。日本の帝国主義が中国侵略という暴挙を行ったということは、世界が知り、記憶しておかなければならないこと。一つの民族の反省は民族の寛容さよりも重要であるため、歴史の教訓を記憶にとどめておかなければならない。しかし、父のように、戦争反対の道を歩んだ日本兵は非常に少ない。それに、帰国後中国で経験したことを語ろうとしない日本兵も多い。それらは、心の大きな負担となっているにもかかわらず、それと向き合うことができない。これも日本人に存在する現実的な問題」との見方を示した。
懇談会にはその他、元兵士の周輝群さんや彭文賢さん、楊克検さん、当時旧日本軍が犯した「営田惨殺事件」の生存者である易棣棠さん、易中堅さんなどが参加。当時の戦闘の経験や遭遇した旧日本軍の虐殺の話になると、未だに冷静ではいられない様子で、うち易棣棠さんは、「過去を忘れないのは平和を呼び掛けるため」と語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年3月30日