▽紙幣の価値は下がる?
周総裁によると、人民銀発行のデジタル通貨はかつて一世を風靡したビットコインと異なるもので、「人民銀が掌握コントロールするデジタル通貨については、一連の技術的手段、メカニズムの設計、法律法規を採用し、デジタル通貨運営システムの安全性を確保していく。初めからビットコインの設計コンセプトとは異なっている。人民銀は暗号アルゴリズムを含む数々の通信技術手段を用いて、デジタル通貨が偽造されないよう保障する。将来は技術もレベルアップやバージョンアップを果たすだろうし、人民銀はあらかじめ技術のバージョンアップを考慮して、当初から長期的な進化という発展理念を導入している」という。
デジタル通貨は法定通貨として人民銀が発行することになる。人民銀によれば、デジタル通貨の発行・流通・取引は、いずれも従来の通貨とデジタル通貨の一体化というコンセプトを遵守するべきで、一つの原則に基づいた管理を行わなければならないという。
業界関係者は、「今後しばらくの間、デジタル通貨は紙幣と共存することになる」と予想するが、このような状況は手元にある紙幣の価値を目減りさせるだろうか。専門家は、「従来の通貨との一体化という発行のコンセプトを遵守するため、紙幣の価値低下を心配する必要はない」と指摘する。また中央財経大学金融法研究所の黄震所長は、「デジタル通貨は主に通貨の形態を指しているのであり、通貨の価値低下を引き起こすことはない。通貨の発行規模は引き続き人民銀がコントロールする」と話す。
▽発行の時期は決まった?
実際のところ、デジタル通貨の発行計画は昔からあった。人民銀は2014年に専門の検討チームを立ち上げており、デジタル通貨の発行と業務運営の枠組、重要技術、流通環境などについて深いレベルで研究を進めてきた。チームはこれまでに一定の成果を上げている。