日本の内閣府は15日、2015年第4四半期(10-12月)の国内総生産(GDP)速報値を発表した。物価変動要因を考慮した前期比増加率は0.4%のマイナスで、年率に換算するとマイナス1.4%になる。日本経済は昨年第2四半期(4-6月)以降、再びマイナス成長に陥った。
「アベノミクス」が実施されてから3年が経過した。安倍晋三首相は最近、「日本経済は長期デフレから脱却し、『アベノミクス』は第2ステージに入った」との見方を示した。だが内閣府が今回発表した「中間テストの結果」をみると、日本経済は真の復興には到達していないといえる。安倍首相が政権を担当してからの3年間(2013-15年度)、GDP増加率は1.4%、0.0%、0.4%にとどまり、安倍政権以前の12年の1.7%にすら及ばなかった。
昨年第2四半期に日本経済は貴重な好調の兆しをみせた。日経平均株価、訪日外国人観光客数、企業の経常利益、就業率といった主要経済指標が約20年ぶりに軒並み記録を更新したのだ。だがグローバル金融市場の動揺を背景として、とりわけ米連邦準備制度理事会(FRB)が10年ぶりの利上げを発表したことにより、日本経済の脆弱さが再び露呈した。統計によると、日本のGDPの6割以上を占める個人消費が伸びていない。暖冬の影響で、昨年第4四半期の個人消費は前期比0.8%減少し、堅調だった住宅投資も落ち込んで同1.2%減少し、公共投資も同2.7%減少した。
富士通総研のアナリスト早川英男さんは、「日本は再びデフレに陥ってはいないが、経済成長が安倍政権で加速したということもない。企業の利益が過去最高を更新したのは、主に大幅な円安を受けてのレートの換算と原油価格の下落によるものだ。労働市場の人手不足の根本的原因は高齢化による労働人口の供給の減少にある。実際、企業の輸出量は増えていない。14年と15年の日本経済の増加率鈍化には消費税引き上げやグローバル経済の鈍化といった外部の要因もあるが、根幹には日本経済に内在する成長へのパワー不足という問題がある」と指摘する。
日本銀行(中央銀行)は銀行の投資や貸出を奨励するため、1月末にマイナス金利政策をうち出した。早川さんは、「日銀は金融政策と2%のインフレ目標を結びつけるが、原油価格が値下がりする状況では達成は難しい。達成しても、日銀は毎月10兆元規模で行っている国債の購入を一時ストップしなければならず、市場の混乱は必至だ。日本のGDPの2倍を超える政府債務も巨大なリスクをはらむ」と話す。