中国の春運圧力の大きさは、大勢の出稼ぎ者が春節休みに故郷に帰り、家族と団らんするという習慣と関係がある。日本にも戸籍制度はあるが、農村から都市への移動は完全に自由で、農村から都市への大規模な人の移動が可能で、都市部では各種公共サービスを平等に受けられる。誰でも大都市に定住できることから、農村からの移動は一家全員でということが多く、こうしたケースでは正月に故郷に帰り家族団らんする必要がない。
1960年代から、日本政府は工業の分散化をはかり、大都市への集中を避け、農村や地方に雇用を生み出し、農村の労働者は地元で就職できるようになった。工業の分散により、農家の人は自分の家から出勤できるようになり、都市に出る必要がなくなり、Uターンラッシュが起こらなくなった。00年以降、これまでにみられた農閑期を利用して建築現場などに働きに出る出稼ぎ労働者はほぼいなくなった。
05年の日本の都市化率は86.3%で、圧倒的多数の人が都市交通システムの利便性を享受する。農村は自家用車の保有率が高く、1人に1台というところもある。農村での移動では自動車が極めて便利だからだ。
整ったインフラにより、日本は国内のどこでも、遠い島々でも、市内でバスに乗るような迅速で便利な交通手段を備えている。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年2月3日