中国科学院青蔵(チベット)高原研究所は11月18日、国内外の科学者が共同研究により作成した、初のチベット高原に対する全面的・科学的評価の報告書を発表した。同報告書は気候、水、生態系、陸地環境、人類活動の影響、災害リスクの6つの面から、気温、降水、氷河、積雪、湖沼など26項目の指標を用い、チベット高原の過去2000年および今後100年の環境変化を総合的に評価した。その結果、「チベット高原の生態系は全体的に良好」という全体的な結論が導き出された。人民日報海外版が伝えた。
同研究所の研究員である徐柏青氏は取材に対し、「長年の地球観測により、チベット高原の植物の面積が、今世紀に入ってからやや拡大していることが明らかになった。1998年に天然林保護プロジェクトが開始されて以来、森林面積と密度がいずれも増加している。森林と低木林が北西方向に拡張し、植物の純一次生産量が強化された。作物の栽培は、高緯度および高原に拡張している」と話した。
チベット高原の気候変動には、温暖化・多湿化という大きな特徴がある。温暖化と氷河の融解は、チベット高原の凍土の減少、土地の砂漠化を引き起こした。しかし同報告書は、人類活動は環境に対してプラスとマイナスの両方の影響を及ぼしているとした。
徐氏は、「交通、観光、鉱物の開発、都市の発展は具体的な点と線の上で、確かに一部地域の環境の質に影響を及ぼしている。しかしチベット高原の中心地に位置する西蔵(チベット)自治区のエネルギー消費はクリーンエネルギーが中心で、汚染は人類活動の密集する地域を大幅に下回り、北極に匹敵する。依然として世界で最もクリーンな地域の一つだ」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年11月20日