呉作人「母と子」(中国画)
ある報道によると、このほど日本のオークション業界の取引総額がどんどん上昇しているのは「商品が多く、値段が安い」からで、ここ数年、すでに中国人コレクターが海外で芸術品を格安価格で入手できる「聖地」になっていることに注目すべきだという。実際のところどうなのか?日本の芸術品市場に精通する多くの業界専門家に取材した。広州日報が伝えた。
素晴らしい品物が確実に存在し、価格は一般的に安価
ご存知の通り歴史的な要因により、日本が収蔵する中国の文化芸術品は数えきれない。しかもここ数年来、日本の民間で収蔵されている多くの中国の文化芸術品がすでに中国に里帰りしてきている。
よく日本に行っている北京匡時国際オークション有限公司の董国強会長は「歴史的に日本はずっと中国文化を尊重してきたが、第2次大戦以降、日本の国策が『脱亜入欧』(アジアを脱し、ヨーロッパ列強の仲間入りを目指すこと)に転換した。これによって中国文化の日本への影響力が徐々に減退し、中国文化を好む日本人も徐々に少なくなってきた。若者世代はもちろんのこと、現在50歳くらいの日本人も中国文化に大きな隔たりがある。だから多くの日本人は先人たちが残してきた中国の文化財や芸術品をオークションに持っていく。彼らの目にはこれらの品物を鑑賞したり収蔵する意義を備えておらず、意味がわからないうえに自分のお金を使って購入していないので、コストを必要とせず、価値を判定するうえでズレが生じ、一般的に安価になっている」と話す。