中国で最近、「飛行機の中でのインターネット」が話題となっている。中国工業・情報化部(省)が最近、中国国際航空や南方航空、東方航空、海南航空などの旅客機数十機を対象に、機内でのインターネット接続を認可し、今後客室でも接続が可能になるのではとの期待が高まっている。しかし、同サービスの導入を実際に実現させるためには課題も多い。 科技日報が報じた。
航天科技集団中国衛星通信集団有限公司の科学技術委員会の副委員長・柴勇氏は、「現在、中国の通信衛星12機が軌道に乗っており、中国全土だけでなく、アジア太平洋地域や中東、アフリカなどをカバーしている。衛星通信路が飛行機の中でのインターネット利用の障害になっているわけではないが、各システムにおいて一部のコア技術が成熟しておらず、さらなる検証と整備が必要」と説明した。
また、技術的な問題以外に、柴氏は、「同サービスを市場で普及させるためには、利用者が受け入れられる方法を探すのが一番の課題。各航空会社はアンケート調査など、その基礎となる作業を展開しているものの、乗客に体験してもらう活動などを展開して、模索を続け、絶対多数のユーザーに適した消費スタイル、応用スタイルを少しずつ構築しなければならない」と指摘。さらに、「機内では携帯の使用が従来の規定で禁止されている。しかし、パソコンの所有量は携帯と比べ物にならない。この業務を全面的に展開するために、機内での携帯電話使用を許可するよう規定を変更してほしい」との見方を示した。
そして、柴氏は、「機内でのインターネットサービスを全面的に展開するためには、政府の効果的な管理体制も必須。同サービスを、どのように展開し、管理するのかを明確に示す政策が重要となる。しかし、関連の産業政策はまだ発表されていない。今後もテスト事業を続け、関連当局が政策を制定できるよう、根拠を提供しなければならない」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年6月18日