射礼において、加藤さんは、「漢服マニア」ぶりを披露したほか、中国古代の儀式の一つである射礼も体験したものの、「的を射るのはとても難しい。私は力が弱いので、弓が硬すぎて、引っ張れない」と四苦八苦。練習を重ねて、「初級レベルで、矢がなんとか的の真ん中付近に飛ぶという感じ」と笑顔で語った。
また、他の射手が矢を放っている時に、加藤さんは他の同級生と共に、さわやかなグリーンの漢服を着て、茶芸師を務め、射手達にお茶をふるまい、中国の茶道も披露した。加藤さんは、中国の伝統文化である茶芸にも強い興味を抱いており、今年3月には、人民大学哲学院で茶道を習い始め、基本的な作法を覚えた。しかし、「手の動きがまだぎこちない」と加藤さん。
射礼において、加藤さんは、世界最古のオーケストラと言われる中国伝統の儀式音楽「雅楽」が印象的だったという。16人から成る雅楽団は、「関山月」や「春江花月夜」などを演奏した。中国の伝統が詰まった「雅楽」の演奏に、加藤さんは、「あんなにたくさんの楽器を演奏できるんだ!」と目を丸めていた。
加藤さんも、中国の伝統楽器「笛子」を吹くことができ、「日本で大学に通っている時、中国人の友人に4ヶ月間教わった。音の出し方や笛の持ち方から教えてもらい、本当に苦労した。笛子は、特に指を置く位置が難しく、2カ月かけてやっと民謡『茉莉花』が吹けるようになった」と語る。
中国に来て間もない加藤さんだが、休みを利用して既に、天津や上海、雲南省、西安市(陝西省)などたくさんの都市を旅行したという。中国に来る前は、中国のことを理解していなかったため、心配もあったというが、今では「日本での生活より自由で楽しい」と中国での生活を満喫している。そして、「いつの間にか中国の全てが好きになった。北京での生活はとても楽しい」と話す。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年5月19日