古代中国の建築部材の中でも、漢代の瓦とその芸術的価値に対する評価は高い。漢代の最大の瓦当(がとう、屋根瓦のうち、一番軒先につけられた丸瓦)は、どれほどの大きさなのだろうか?これまでに発見された中で最古の瓦は、どのような形をしているのだろうか?西安の秦磚漢瓦博物館で開催された瓦当の特別展によって、これらの謎が明らかになった。西安晩報が伝えた。
同博物館の任虎成館長は、直径60センチの大瓦当を「瓦当の王」と呼んでいる。この瓦当には精巧な雲の模様が描かれており、素朴で美しく、シンプルだが優雅だ。専門家によると、この「瓦当の王」は、漢代の宮殿に取り付けられていたものであり、幸運と平和を願う意味合いが込められているという。これは現在知られている中で最大の漢代の瓦当だ。
専門家によると、このような大きな瓦当は「遮朽」とも呼ばれ、古代建築物においては庇ではなく、大型宮殿のけた、もしくは梁の両端に取り付けられ、防腐・装飾のために用いられていた。漢代には、青龍・白虎・朱雀・玄武の四神が四方の方角(東西南北)を司り、悪を払うとされ、宮殿用の瓦当にも四神の模様が描かれたものがあった。四神が中心の丸い突起を取り囲むように身を曲げ、非常にこだわりのある装飾となっている。
同博物館の関係者は、「当館は3000点以上の収蔵品を持つ、中国最大の秦代の磚(レンガ)・漢代の瓦を展示する博物館だ。当館は開館5周年を機に、秦代の磚・漢代の瓦の芸術的価値への理解を深めてもらうため、多くの重要な瓦当を初展示した」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年5月4日