■縮めることのおもしろさ
長い距離を歩き続き、ようやく宿に着いて休む時、人々はお互いにいかに荷物を軽くできるかの心得や方法を教え合った。物を小さくする方法を発見した人は、同宿の人々からの賛同を得て、一夜にして英雄となった。これらの縮めた物は、あっという間に日本全国に広まった。
しかし、これらの縮める方法に気付いた人は、英雄として歴史に名を刻んだわけではない。これらの知恵は荷物を背負う人々、つまり自分の足で歩く平民である百姓のものだったからだ。
徒歩で旅する日本人にとって、物を縮めることや重量を軽量化することは、かけがえのない価値があった。
人々は物を細かく、小さくする方法を考え、大きな荷物を圧縮して小さい荷物にした。荷物を背負って徒歩で旅をする日本人の縮みの志向は、さらには人々の精神世界の美学にまで高まった。
日本人の縮み志向の謎はついに解き明かされた。民族に共通した性向の理由は実のところ極めてシンプルであり、そこまで複雑なものではない。日本人の縮み志向の謎の答えは、日本列島の地形や気候の中にあったのだ。
■日本人の省エネ意識
21世紀に入り、世界中の環境が悪化し、エネルギー資源が枯渇しつつある。世界の未来において、継続可能な省エネ社会を構築することは、将来不可欠なことだ。持続的な社会がなければ、人々の倫理や道徳はありえない、倫理や道徳は共同体の中でしか役割を果たさないからだ。
現在出現している危機は、世界中の範囲に及んでいる。この地球上に無数の共同体が存在し、無数の共同体がリンクしている状態の中、倫理や道徳で問題を解決するのは、問題をさらに複雑化し、解決を難しくさせるだけだ。
世界の環境問題や資源問題を解決するには倫理や道徳から遠く離れた武器で解決する必要がある。
倫理や道徳から最も離れた武器とは技術だ。日本人が常に口にする「可愛い」という言葉は、自分が好きな小さいもののことを言う。可愛いものを作るためには、必死に頭を使い、縮める技術を創造する必要がある。この縮める技術だけが、持続可能な最も省エネの社会を構築することができる。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年4月29日