国連貿易開発会議(UNCTAD)がこのほど発表した「2015年情報経済報告」によると、世界130カ国・地域のうち、小規模な欧州諸国は、「企業対消費者間電子商取引(B2C-EC)」が最も発達しているエリアであり、発展途上国がトップに迫る勢いで急速に伸びている。中国はすでに、「世界最大のB2C-EC市場」となった。経済日報が報じた。
この最新年度報告によると、B2C-EC指数トップ10カ国は順次、ルクセンブルク、ノルウェー、フィンランド、カナダ、スウェーデン、オーストラリア、デンマーク、韓国、英国、イスラエル。発展途上国と新興国のうち上位にランクインしたのは軒並み、韓国やシンガポールなど東アジア諸国だった。特に、中国は実質上、すでに世界最大のB2C-EC市場となった。また、実際のオンライン購入率から見ると、今年度のブラジル、中国、ロシア各国の状況はいずれも、予想を上回るものだった。
UNCTADによると、現在の世界のB2C-EC市場規模は年間約1兆2千億ドルと、年間15兆ドルに達する「企業間電子商取引(B2B-EC)」市場に比べると、規模的にははるかに小さい。だが、世界のB2C-EC市場は、特にアジアとアフリカにおいて、目覚ましい発展のすう勢を呈している。2018年までに、発展途上国や経済のモデルチェンジが進む国のB2C-EC取引額は、世界全体の約40%を占め、先進国のシェアは現在の70%から60%に下落する見込み。
また、報告では、発展途上国が直面するB2C-EC市場発展の足かせとなる要因についても分析されている。たとえば、南米、カリブ海沿岸、アジア、大西洋の各地域では、各家庭への郵政サービスの普及が課題となっている。また、アフリカでは、ネット普及率が極端に低いことが、電子商取引発展の障壁となっている。
報告は、「発展途上国でネット普及率がさらに上昇し、新たな電子商取引プラットフォームや決済方法が誕生するに伴い、また、現地の電子商取引企業に、現地市場に需要に見合う製品やサービスを提供する能力が備わるにつれて、これらの国のB2C-EC市場はいっそう拡大していくだろう」と分析している。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年3月26日