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日本のメディアが試算したところによると、今年の春節(旧正月)連休期間に、中国人観光客が日本で消費した金額の合計は60億元(約1140億円)に達し、大量購入の買い物の金額は30億元(約570億円)を超えた。今や「トイレの便座が品切れ状態」だという。このニュースには、2年ほど前に中国で発生した「日本製品ボイコット」に対する風刺のニュアンスが含まれていることは確かだ。中国人の多くは恥ずかしいと思い、こうした人々を「外国に媚びている」と批判する。(環球時報社説)
便座は春節を前にして「意外にも」話題になった。もともと日本製品をあがめ中国製品をおとしめる意味合いがあり、実際のところ日本製品にとって非常に効果的な広告になった。
内需が振るわない中国の人々が日本に行って大量に買い物する。これは中国人にとって名誉なことではないし、メードインチャイナ製品にとっても名誉なことではない。日本の便座は、使いやすく、スマートで、行き届いており、人気を集めるのも偶然ではない。消費者が実際に金を払って購入しているということが、確かな指標になる。多くの面で、中国製品と日本製品の間には客観的な開きがある。だがこの開きこそメードインチャイナの動力であり、潜在力でもあるといえる。
便座がメードインジャパンの代表選手になるということは、日本の製造業にとってそれほど名誉なことではない。かつて世界の家電産業の王者だった日本が、今では便座や炊飯ジャーを売っている。このことは一種の「没落」だといえる。中国家電製品の発展によって、メードインジャパンの「伝統的な陣地」は徐々に縮小し、相当の陣地を失った。日本人はこのことを肌身に染みて感じている。
メードインチャイナの業績が人々の予想を大きく上回ったのは、一部の中国人が評価しなかったり、ひどく過小評価したりする中で、また世界のライバル達との激しい競争圧力の下で、なんとかして活路を開いてきたからだ。こうした道のりには無数のドラマがある。このような土台があるので、メードインチャイナの未来に対し、より強い信頼を寄せるべきなのだ。