北京で9日「中米戦略的核関係・戦略的相互信頼シンポジウム」が開催された。双方による核分野の信頼醸成措置、新型の戦略的核関係の模索は、世界と地域の安全を共同で維持するうえで積極的な意義がある。(文:胡豫闽・中国軍備抑制・軍縮協会副秘書長)
冷戦時代の米ソ関係と比べると、現在中米が直面する戦略環境は異なり、国家関係も異なるため、核分野における中米の関係も米ソの関係とは非常に異なる。冷戦時代の米ソの国家関係は「対立と妥協」と描写できる。1962年のキューバ危機はこの関係を反映する典型的ケースだ。予測可能な将来において、国家関係を構成する極めて重要な一部として、中米間の経済分野の相互依存と社会・文化分野の交流は冷戦時代の米ソ間のものとは比べようもないものとなるだろう。
米ソが冷戦時代に核軍拡競争に尽力して、核戦力の戦略的均衡を保ったのと異なり、中国は「鏡像」核軍拡競争には参加せず、「相互確証破壊」理論も奉じない。米ソ冷戦時代と比べると、現在の中米の核分野における信頼醸成措置へのニーズも明らかに異なる。中米の核戦力は非対称的だ。米国は戦略兵器の攻撃・防御システムにおいて絶対的優勢にあるのみならず、戦略兵器システムの態勢においてもより進攻性を備える。核分野の双方関係において強勢にある一方は、信頼醸成措置においてより責任を担い、より踏み込んだ行動を取る必要がある。
米ソ、米露が核分野の信頼醸成措置のプロセスにおいて打ち出したいくつかの理念、例えば世界と地域の戦略的安定性の維持、各国の安全を減損しない、第三国を標的にしない、最低水準の均衡実現を目標にした非対称の削減、約束履行のニーズに合った核査察措置の制定などは、核分野の軍備抑制におけるいくつかの規則的問題を明らかにしており、実践的意義に富んでいる。こうした信頼醸成措置の多くは現在もなお法的効力を備える。