中国国家海洋局が5日に発表した情報によると、第31次南極科学観測隊は4日、2年前に中山基地付近の海域に投入された海底地震計(OBS)の回収に成功した。これは中国が回収したものの中で、「睡眠時間」が最も長い海底地震計だ。この地震計は、6カ月間にわたる世界の「心拍」(地震)を記録した。科技日報が伝えた。
海底地震計は地震計、記録計、発信機の3つによって構成される。そのうち地震計は揺れを電子信号に変え、記録計は電子信号を収集・保存する。科学者は発信機によって海底地震計を回収し、記録計から関連データを読み取る。
中国国家海洋局第一海洋研究所の鄭彦鵬氏は取材に対し、「(OBSは)地震観測点に似ているが、異なるのは地震観測設備を海底に投入する点だ。これは南極海の深部の地質構造の特徴と変化への理解を深めるのに役立つ。研究所が入手したデータをさらに分析することで、中国の南極海における地球物理調査技術の国際的な影響力を大幅に高めることができる」と指摘した。
中国の南極科学観測は毎年1回のペースで実施されており、今年投入された設備は来年にならなければ回収できない。今回回収された海底地震計は、中国が第29次南極科学観測で投入したものだ。第30次南極科学観測では、中山基地付近の海域が分厚い流氷に覆われたため、回収作業を実施できなかった。そのためこのほど回収された海底地震計は、南極の海底に2年間も眠っていたことになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年2月6日