中国第31次南極科学観測隊は10月30日、上海市浦東区の中国極地観測国内基地の埠頭を出発し、163日間の科学観測任務を開始した。第31次科学観測は、中国が1984年に南極観測を開始してからの、30年間に渡る科学研究・後方支援などの発展を総括するものとなる。中国南極科学観測隊は30年後の再出発で、新たな道を切り開く。人民日報が伝えた。
◆科学観測の4つの見所
今回の科学観測隊は281人の隊員によって構成され、2015年4月10日頃に上海市に帰港する予定だ。総航行距離は3万海里に達し、任務期間は約163日。
中国国家海洋局極地観測弁公室室長の曲探宙氏によると、今回の科学観測には4つの見所がある。(1)第29次極地科学観測隊が崑崙基地で実施した氷床深層コアの試験的な堀削を踏まえた上で、正式に氷床深層コアの堀削および天文観測などの科学調査を実施する。(2)ロス海で初の地質調査、地球物理調査などを実施する。(3)極地科学観測において、ロボットなどの新技術を研究・運用する。(4)国際協力の場を利用し、極地科学観測・研究を実施し、中国の極地科学観測活動を国際的な極地科学観測活動と融合させる。他にも今回の科学観測では第29次・30次南極科学観測隊がプリッツ湾沖に投入した4組の観測ブイと6組の海底地震計を回収する。