「世界僑商イノベーションセンター」建設計画フォーラムがこのほど北京で開催された。同フォーラムに出席した国内外の専門学者や僑商代表ら20人は首都鋼鉄工場跡地を訪れ見学すると同時に、「世界僑商イノベーションセンター」の各プロジェクトについて提案を行った。その中の1人で、僑商と学者の2つの肩書を持つ在日華人の顔兵氏が、このほどインタビューに応じた。中国新聞網が伝えた。
「ここには、何世代もの人々の思い出がある。もし、これを改造して、アニメ・漫画のテーマと結びつければ、新しい文化テーマパークになるだろう」。 顔氏は、首都鋼鉄工場跡地の古い溶鉱炉を前にたたずみ、長い間それを観察していた。顔氏が見たところ、この歴史の記憶を伴った廃墟と心の中のアニメ・漫画テーマパークは、図らずしも一致していた。近年、「アニメ・マンガ強国ならぬアニメ・マンガ大国」だという外部からの中国への評価について、顔氏は、「中国のアニメ・マンガ創作に欠けているのは人材育成システムだ。さらに、テーマ選びが極度に限定されていることが、中国が日本に代わって世界最大の動画制作大国になることを難しくしている」と語る。
顔氏は、「しかし、中国アニメ・漫画の驚異的な発展速度は、周囲の注目を一身に集めており、批判によってその歩みを阻害してはならない」として、「外部が中国のアニメ・漫画産業の『拿来主義』(外国の良いものを取り入れ自国の発展に役立てる主義)や革新性の欠如を批判している時、中国のデジタルスクリーン上のアニメ・漫画は、すでに音楽やゲーム、デジタル・エンタメ・メディアとのジャンルの垣根を越えることに成功している」と指摘する。
中国国産アニメとデジタルメディアについて、顔氏は「デジタル方式による物語や創造性の展開は、現代のテーマパークブームの背景になっている。そして、これが新しい消費モデルを促している」と語った。
「アニメ・漫画の生産は宣伝コストの増加を意味しており、アニメ・漫画の発展と経済の発展は密接にリンクしている。現在、世界に影響を与えているのは、日本のアニメクリエイターの初期の頃の作品だ。中国の経済の急速な発展にともない、中国のアニメ・動画の名作も遠くない将来登場するだろう。特に、後発である中国のアニメ・漫画産業のニューメディアやSNS((ソーシャル・ネットワーキング・サービス)もすでに他国を追い越している。これらのビジネスモデルのイノベーションもアニメ・漫画関連産業の繁栄を後押しする」。