北京社会心理研究所は2013年10月、全市規模で「2013-2014北京市民社会心理状態調査」を実施した。同調査は、社会の心理状態を簡単に叙述するだけの従来の方式を見直し、社会的情緒の特徴に対する掘り下げた分析をベースとして、社会的情緒と社会的行為との関係を詳しく分析し、社会的認知や社会的価値観と社会的情緒との結びつきを深く掘り下げた。社会的情緒という観点から見ると、全体的に、理性的かつ穏やかな傾向が示された。
調査では、複数の段階における無作為調査法を採用、北京16区から100カ所のコミュニティをピックアップし、2005年全国1%人口サンプリングのデータおよび北京の人口分布の特徴を参考として、計3200組のアンケートを発送、有効アンケート2996組を回収した。有効回答率は93.6%だった。
調査データの分析から、以下の結論が導かれた。
(1)情緒面や理性面で安定している市民の割合はかなり高かった。2013年のほとんどの時間に、情緒的に楽しく楽観的な状態にいた人は20.1%を占めた。また、情緒表現が理性的・平和的だった人は56.4%に達した。情緒が悲観的・不満・変動が激しかった人は23.1%だった。
(2)住民社会の情緒レベルは、「理性」と「穏やか」の間にあった。調査によると、市民の社会的情緒は平均0.51ポイントと、悲観的(マイナス3ポイント)から楽観的(3ポイント)までを7つのレベルに分けた場合の「理性的」と「穏やか」の間にあり、これは、市民の情緒が全体的に安定した状態にあることを示している。
プラス・普通・マイナスといった情緒を、年代別に見た場合、1960年代が分かれ目となっている。1960年代以前(1940年代・1950年代・1960年代)生まれの市民は、プラスの情緒を持っている人の割合が高く、マイナスの情緒が低かった。一方、それ以降(1970年代・1980年代・1990年代)生まれの人は、マイナスの情緒を持っている人の割合が高く、プラスの情緒は低かった。悲観的から楽観的まで、いくつかの種類別でみると、1940年代生まれと1950年代生まれの市民は、最も情緒的に落ち着いていた。1980年代以降生まれから、悲観的・不満・変動が激しいといった情緒の持ち主が現れ、穏やかで楽観的な情緒を持つ人の割合が低かった。