浙江大学化学学部の範傑教授の研究チームはこのほど、出血が止まらない大動脈を12秒で止血する、一種のスコレサイト材料を開発した。このバイオ・無機複合材料は、次世代の効果的な止血剤になり、負傷者の貴重な治療時間を稼ぐ可能性がある。新華社が伝えた。
スコレサイトを原材料とする緊急止血剤は1980年代にすでに開発・使用されており、戦場で無数の兵士の生命を救っていた。この止血剤は大量出血後3分内に止血できるが、負傷者はその高温により火傷を負いやすかった。
研究チームのメンバーは、カルシウムイオン交換技術によって極小微粒子状のスコレサイトを開発した。このスコレサイトの止血メカニズムの研究によって、スコレサイトが血液に触れる際に表面が血漿タンパク質に包まれ、凝血作用とトロンビンを活性化させる膜が形成され、凝血時間を数分から10数秒に短縮できることが明らかになった。
研究チームはまた、トロンビンのカルシウムイオンの含有量を少なくすることで、使用の際の発熱の問題を解消した。範教授は、「これはトロンビンの凝血作用のメカニズムを初めて明らかにした研究で、関連する論文はすでに専門誌『Nano Research』に掲載されている」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年1月23日