中日両政府は12日に東京の日本防衛研究所で「海上連絡メカニズム」の構築について協議した。課長級に過ぎない今回の協議が強く注目されているのは、日本政府が釣魚島(日本名・尖閣諸島)を「国有化」して以来、3年ぶりの協議再開となるからだ。会議の数日前、日本の中谷元防衛大臣は「中国海軍が太平洋への進出を日増しに活発化している」ことへの警戒を表明。中国国防部(国防省)は12日、ウェブサイト上で目を引く形で同氏を批判した。日本メディアは、協議終了後に行われる報道陣向けの説明は12日に持ち越される可能性もあると報じた。環球時報が伝えた。
■協議は非公開
時事通信社によると、今回の会議は日中防衛当局の課長級幹部が参加。メディアには非公開で、双方の参加者リストも公表されない。共同通信社の12日夜の報道によると、同日双方は通信方式、使用周波数、ホットラインを設置する幹部の階級などについて具体的議論を行った。釣魚島などをめぐる不測の事態の発生を防ぐため、双方はメカニズムの年内運用開始を目指しているという。12日付のメディア報道によると、東中国海防空識別圏関連の両国空軍の「回避空域」も議題だと報じた。
2012年6月に中日防衛当局間の海上連絡メカニズムに関する第3回共同作業グループ協議が北京で行われた。同年9月に協議は釣魚島問題のため中断。国防部(国防省)の楊宇軍報道官は同年10月の定例記者会見で「中日関係は日本政府による釣魚島の不法『購入』により厳しい局面に置かれている。両国の防衛分野の交流への影響も避けられない。その責任は完全に日本側にある」と述べた。
時事通信社は12日「日中関係はすでに最悪の時期を脱したものの、依然厳しい」と報じた。産経新聞は「協議終了後に行われる報道陣向けの説明は12日に持ち越される可能性もある」と報道。「中国側の意向があるから、日本だけの判断ではできない」との日本防衛省関係者の話を伝えた。
海軍軍事学術研究所の張軍社研究員は12日「環球時報」の取材に「現時点で中米間には重大な軍事行動の相互通告メカニズムと公開海域海空軍事安全行動規範がある。中韓両軍間にも軍事ホットラインがある。中日間での同様のメカニズムの構築も差し迫って必要だ。東中国海の複雑な状況に焦点を合わせるだけでなく、近年中国海軍が常態化している遠洋訓練、公海航行時の日本側艦艇・航空機による中国艦艇に対する接近偵察、追跡監視も含まれる。これらは海空の事故をもたらす根本的原因だ。今後協議が比較的うまくいけば、相互信頼の程度に応じて、海上活動の事前通告を行うことができる」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年1月13日