旧暦の年末が近づき、長安フォード汽車が初めて乗用車市場向けにうち出した戦略的車種の新型「エスコート」がこのほど全国で発売された。この車はフォードの2015年ミドルクラスカー市場戦略における先兵といえる。日系車はミドル~ハイクラスの自動車市場で敗北を喫したのに続き、ロー~ミドルクラス自動車市場でも米系車の全面的な攻勢を受けることになる。「証券時報」が伝えた。
▽エスコートに花を持たせるフォーカス
エスコートが発売されると、9万6800~11万9800元(1元は約19.2円)という価格帯がハッチバック車「フォーカス」の9万9800~12万3800元とかぶることになった。この2つの車種は特徴が似通っており、長安フォードはフォーカスハッチバック車の生産停止を決めた。
実際のところ、フォーカスは弟分のエスコートの顔を立ててやったようなものだ。フォーカスハッチバック車は2005年に生産ラインが稼働して以来、消費者に歓迎され、ファミリーカー市場の人気車種として知られていた。そして今、エスコートはフォーカスの人気にあやかって、ロー~ミドルクラス自動車市場で注目を集めている。
長安フォードの販売業務を手がける長安福特銷售公司の陳旭副総経理(副社長)は、「このたびのエスコートの発売により、中国のミドルクラスカー市場をよりよく満足させることができる。フォードには3車種のラインナップがあり、中国で最も大きいミドルクラスカー市場において消費者のさまざまなニーズに答えることができる」と話す。
▽ミドルクラスカー市場の戦い 米系が日系に勝利する
「ミドルクラスカーで勝てば天下を取れる」というのが、自動車産業の鉄則だ。またこの言葉は、現在の中国ミドルクラス乗用車市場における戦いの激しさを物語るものでもある。日系車の市場での浮き沈みの不安定さに比べ、米系車は安定しつつ進歩を遂げており、日系車に取って代わろうと意欲満々だ。