伝統文化が小学校の教科書に登場し、本格的に授業内容に取り入れられることとなった。全国25省(自治区・直轄市)の小・中・高校で使用される、省レベルの伝統文化実験教科書の編纂作業が、このほど終了、各学校での使用が今年9月にもスタートする。伝統文化を盛り込んだ標準化実験教科書がこれほど広範囲かつ大規模に使用されるのは、中国で初めてのことだ。法制晩報が伝えた。
中国国学文化芸術センターによると、各地の教材では、「弟子規」「論語」「孫子兵法」などの固定的な基礎学科16科目が保留され、歴史、地理、無形文化遺産など12種類の内容が新たに追加されたという。
【路地文化や豆汁など軽食に関する記述が登場】
小学生向けの「北京版」伝統文化教科書には、北京のどういった一面が記載されているのだろうか?北京の「本質」がどのように表現されているのだろうか?
中国国学文化芸術センター課題指導チームの張健・秘書長は、次の通り紹介した。
小学生は、伝統文化教科書から、北京の歴史、北京の路地文化、北京の軽食、北京地方の伝統劇、北京の曲芸、北京の文学、北京の無形文化遺産などの各テーマについて学ぶ。例えば、北京版小学一年生用教科書「弟子規」には、「北京の歴史」の項目が追加されており、豊富な挿し絵や丁寧な解説文によって、原始社会時代以来の北京の歴史の移り変わりや都市の景観について記述されている。さらには、過去のさまざまな北京の呼称や、北京を護る九大門楼の説明までカバーされる。これらの文化について知ることで、子供たちは、自分の生まれ育った故郷をより深く理解することができる。
北京版小学三年生用教科書「声律啓蒙」には、「北京の路地文化」の項目が追加された。簡単で短い文章と厳選された古い写真によって、悠久なるオールド北京の歴史や味わい深い路地文化が、子供たちに紹介されている。
無形文化遺産の項目では、廟会(縁日)などの文化が紹介されている。また、北京の軽食に関する記述も追加され、豆汁や餡入りきなこ餅など、市民の食卓で馴染み深い、美味しい伝統的軽食が、教科書に登場する。