共同通信社は、多くの有権者は他人よりはましという消去法で投票しており、選挙結果は有権者の無条件の支持を意味するものではないと分析した。安倍政権にとって、日本の長引く大きな問題が、選挙の勝利によって消えることはない。政治はゲームではなく、賭博は火遊びにすぎない。
切り札は改憲
中国日本史学会副主任、北京大学教授の王新生氏は中国新聞網の記者の取材に応じた際に、安倍首相を「理想形の保守主義者」と比喩した。王氏は、安倍首相の政治理念は外祖父の岸信介に似ていると指摘した。元首相の岸信介は日本の戦前の名誉を取り戻すため力を尽くし、平和憲法の改正を試みていた。
王氏は、安倍首相の最終目標は日本を「正常な」国にし、軍隊と自国の防衛力を手にすることだと分析した。外交学院教授の周永生氏も、安倍首相には「改憲DNA」があり、家族の意志を継承しようとしていると指摘した。安倍首相は改憲を「使命」と何度も表現しており、この道を歩み続けることで不戦の誓いに揺らぎが生じる可能性がある。
しかし安倍首相は、次の現実を避けられない。改憲には衆参両院の3分の2以上の賛成と、国民の賛成が必要だ。改憲が不可能な現状の中、安倍首相は解釈改憲により集団的自衛権の行使を容認し、「軍拡の夢」を実現しようとしている。このやり方は日本人から批判を浴びており、焼身自殺のような極端な手段による抗議活動もあった。安倍内閣の支持率も2012年の政権発足以来で最低水準の、42%に落ち込んだ。
最新の世論調査によると、集団的自衛権の行使容認などに関する安倍政権の安保政策について、回答者の55.1%が「支持しない」を表明し、「支持する」の33.6%を大幅に上回った。3度目の就任を果たした安倍首相にとって、未来の政権運営の道には解決が必要な難題が山積している。