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アベノミクス、貧富の格差を拡大  

 2014年12月09日14:40

内閣府は8日、今年第3四半期の国内総生産(GDP)の改定値を発表した。各データの確認・調整後、第3四半期の日本のGDPは前期比0.4%減から0.5%減(年率換算で1.9%減)に改定された。

市場はこれまで、経済状況が上方修正されると予想していたが、このデータは日本経済がより深刻な局面に陥っていることを示した。GDPが第2四半期の時点ですでに7.3%と大幅に減少していたことから、2四半期連続のマイナス成長は、日本経済がすでに低迷に陥ったことを意味する。

アベノミクスを実施し2年が経過する。日本の専門家は、アベノミクスは表面的には日本の株式市場を刺激し、輸出中心の大型企業の活力を引き出し、雇用問題を解決するなど明らかな効果を手にしているように見えるが、大きな副作用が日本経済に悪影響を残すと指摘した。

大規模な量的緩和策の刺激を受け、日経平均株価は7年ぶりの高水準を記録した。東京証券取引所の日経平均株価は12月8日に1万7935円に達し、2007年10月ぶりの高水準となった。この数値は2011年末のほぼ2倍に相当する。上場企業1250社の4−9月の経常利益合計は、前年同期比9.58%増の17兆3000億円に達し、2億円以上増加した。雇用情勢が大幅に改善され、雇用者数が100万人以上増加し、失業率も17年ぶりの低水準となる3.5%に低下した。企業の業績改善により、社員の給与と家庭の所得が増加している。

しかしアベノミクスは急激な円安、物価の大幅な上昇、貧富の格差の拡大、政府債務の記録更新といった事態を招いている。社員の名目上の所得は増加しているが、物価上昇や消費増税などの影響を受け、実際の購買力は低下している。

総務省が発表したデータによると、今年10月の勤労者世帯の現金収入は前年同月比0.5%増となった。物価上昇や消費増税などの影響を除くと、実質的な賃金は2.8%減で、16ヶ月連続の減少となった。大多数の勤労者世帯は、これまでよりも家計が苦しくなったと感じている。実質的な生活費が増加していることで、金融資産を持たない低所得者が増加している。

「大胆な金融政策」は急激な円安、物価の大幅な上昇、低所得者、年金を主な生活費としている高齢者の生活が、最大の悪影響を被っている。節約しこれまでの生活水準を維持するため、多くの高齢者はこれまでの生活方法・習慣を変えるか、定年退職後にアルバイトをすることを強いられている。

長崎市の66歳の夫婦は毎月15万円の年金しかもらえない。物価が上昇を続けると同時に、消費税も引き上げられたことで、豊かでなかった人の生活の負担が増している。支出を抑えるため、この夫婦は自宅付近のスーパーで食品や生活用品を買うのを諦め、遠くの交通の便が悪いディスカウントショップで購入している。ネット通販の経験を持たない高齢者は支出を節約するため、ネット通販でコストパフォーマンスの高い生活用品を買う方法を学んでいる。ヤフーショップの今年4−9月の利用者のうち、60歳以上の高齢者が前年同期比で3割増となり、購入額も35%以上増加した。今年8月末の時点で、在職中の65歳以上の高齢者は全国で713万人に達した。5人に1人の高齢者が、65歳以降も苦しい勤務に耐えなければならない。アベノミクスの実施から2年後に、「金持ちがより金持ちに、貧乏人がより貧乏に」という局面が形成されている。

「チャイナネット」2014年12月9日

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