世界インターネット大会が19日、中国の浙江省烏鎮で開幕した。大会には中国電子商取引最大手のアリババ集団の馬雲(ジャック・マー)会長、ネット検索大手、百度(バイドゥ)の李彦宏・最高経営責任者(CEO)、ネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)の馬化騰CEOらが参加。海外からもマイクロソフト、グーグル、アップルなどの代表者が出席し、21日までの日程で今後のインターネット取引の発展やセキュリティ問題などについて話し合う。
英国の科学技術研究機関CMリサーチのCyrus Mewawalla社長は「中国のインターネット市場は規模・能力・影響力のいずれの点でも米国と肩を並べている」と述べた。あるデータによると「足元の中国のネット利用者は6.32億人に達し、そのうち5.27億人がモバイルネットを使用。さらに2015年には利用者が8.5億人まで増加し、それに伴いネット経済が一段と拡大する見通し」という。
中国国家行政学院・電子商取引委員会の汪副主任は「今回のインターネット大会の開催は中国のインターネット大国化が急速に進んでいることを物語るものである」と表明。国家インターネット情報事務室の魯主任も開幕前に「中国におけるインターネット発展の成果が全体として初めて明らかにされる」と語った。
また祝辞を述べた国務院の馬凱副首相は、「(国としても)今後インターネットをより一段と発展させることで、従来型の産業を改善するとともに、新産業・新業態の発展を促進していく。それによって経済の高度化が可能になる」と強調。「インターネットのインフラ整備を一段と加速し、ネット経済の発展を促進する。新たなネット技術の振興を図るとともに、ネットワークセキュリティも確保していく」との考えを示した。
この馬副首相の発言に対して多くの参加者は、「国が引き続きインターネット産業の発展に力を入れることが明確になった。ネット経済が国民経済の中でより重要な果たしていくことは間違いない」との見方を示した。その上で今後チャンスが拡大する分野として、▽ネットワークインフラ、▽ネット通販、▽クラウド・ビッグデータなどの新技術、▽ネットセキュリティの4分野を挙げた。
このほか証券系研究所や工信部電信研究所の調査によると、2015年のネット消費(ネット通販)の市場規模は3兆2000元を超えると見られており、中には5兆元に達するとの見方もある。これによってネットインフラ、電子商取引、物流、クラウド、モノのインターネットに関する産業にはビジネスチャンスが広がり、関連するベンチャーキャピタルの動きも活発になることが予想される。さらに、モバイルネット技術の実用化が急速に進むのに伴い、インターネットと従来型産業との結びつきは、レベルアップという点だけでな、新たな経済モデルを生み出すことに役立つ。その結果、中国経済全体の構造改革を大きく後押しすることになるという。
「チャイナネット」2014年11月21日