円の為替レートはここ数日、下落し続けている。デフレ脱却やさらなる景気刺激の効果が顕著に表れ、物価は上昇し始めた。だが、日本人の所得の伸びは緩慢で、サラリーマンが直面する現実はより厳しいものとなっている。日本の華字紙・中文導報が報じた。
日本の某中小企業で働く趙氏は、「日本に来て働き始めて10年になる。給料はほとんど上がっていないが、蓄えはだんだん乏しくなってきた。今年は、消費税が引き上げられ、物価もずいぶん上がった。だが、給料は変わらない。一方、円安がどんどん加速している。月給10万円あまりをもらっても、5千元になるかならないほどだ。子供の教育費と両親への小遣い分を差し引くと、この1年、貯金は全くできなかった」と不満を漏らした。
日本で長く就労している付氏は、「約2年前には、100円8元あまりだったが、今では100円5元ちょっとだ。この2年の円安元高を、身を以て感じている」と話した。
日本で就労する中国人の収入が減ることは、国際労務輸出会社の収入減に直接結びついており、経営不振に陥る会社が増えている。
山東省の国際労務輸出会社は、取引先が日本に集中している。今年に入り、日本での就労について尋ねてくる人はほとんどいなくなった。多くの労務輸出会社は、対日労務輸出については、悲喜こもごもを味わったと言えるだろう。ある労務輸出会社に勤める秦さんは、「日本経済の低迷と円安の影響を受け、日本で就労する中国人は、かなり減ってきている。輸出労務市場の黄金期はもはや過去のものとなった」と述べた。