新型の貿易業態である海外通販の急速な発展にともない、浙江、上海、青島などの沿海地域では、対外貿易が安定回復傾向をみせる、構造の最適化が進むなどの特徴が現れている。中国(上海)自由貿易試験区で行われている「跨境通」は、国内の海外通販テスト事業プラットフォームである。現在、韓国の現代百貨店など10店舗が参入し、取り扱い商品は1600種類、数万点を超える。参入店舗は年内に30に達する見込だ。
▽輸出税還付のテスト事業が始動 通関がより便利に
上海市商務委員会の尚玉英委員長は、「上海は今後、海外通販をめぐる通販の利便化レベルを一層引き上げ、より多くの企業が海外通販に主体的に参与することを奨励していく。輸出については、コード番号『9610』の税関監督管理方式に基づく海外通販のシステム建設を推進し、システムを飛躍させる。貿易環境については、関連部門とともに海外通販企業の参入制度および海外通販の対象商品のネガティブリストを検討して適切な時期にうち出していく」と話す。
今年1月、国の海外通販テスト事業都市に選ばれた青島市は、通販向けプラットフォーム「陽光通路」を開通させた。6月には海外通販向け税関プラットフォームの「陽光快速通路」が運営をスタート。青島紅領集団有限公司の張代理董事長(会長)は、「弊社の通販市場の90%は欧米にあり、毎月800件あまりの輸出申告書を提出しており、決済と税還付の手続きからくる圧力は大きかった。これまで弊社が輸出を1件申告するごとに、申告、決済、税還付といった一連の煩瑣な手続きを行わなければならなかったが、海外通販向け新プラットフォームが開設されると、毎月報告書を1枚提出するだけでよくなり、税還付や決済も一回で済むようになった」と話し、新モデルを高く評価する。
輸出をめぐる税還付は通販テスト事業が秩序をもって進めている重要な内容だ。青島市商務局の関係者の説明によると、海外通販における輸出税還付政策の実施を保証するため、青島市国家税務局は関連部門と提携して、輸出の税還付申告に必要な資料や証明書などを明確にしたという。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年10月20日