国務院の李克強総理とロシアのメドベージェフ首相はこのほど、第19回中国・ロシア首相定期会合を共同で主催した。会合では、双方が「モスクワ‐カザン」高速鉄道発展協力覚書に調印し、この高速鉄道プロジェクトを発展させ、最終的に北京へ延伸させることで合意した。この合意により、総延長が7千キロメートルを超える高速鉄道が誕生して北京とモスクワを結ぶことになり、北京から鉄道でモスクワに行く場合、これまで6日間ほどかかっていたのが2日間に短縮されることになる。「京華時報」が伝えた。
メディアの分析によると、この高速鉄道の建設は中国と隣国の関連産業に相当な利益をもたらすという。また中国の西北内陸エリアの貿易上の地位を向上させ、中国製品を西アジアや欧州で販売する上での便宜をもたらし、シルクロードの復活にプラスになるという。
だが問題点もある。
問題点1:マイナス40度の極寒に耐えられるか
同鉄道のロシア区間は緯度が非常に高い。ほとんどの部分が北温帯に属すとはいえ、鉄道は寒冷な気候で、冬が長く、亜寒帯気候に属するシベリア地域を通過しなければならず、鉄道建設の技術、設備、車両には高い要求がつきつけられる。
中国北車株式有限公司の関連部門の責任者は16日に取材に答える中で、「単に技術的な面でいえば、中国には高緯度の寒冷エリアで高速鉄道を建設・修理する能力が完全に備わっており、大連から哈爾濱(ハルビン)に至る高速鉄道がそのよい例証だ。中国北車は中国国内で唯一、高緯度・寒冷エリア向け高速鉄道車両を提供する企業であり、製造する高緯度・寒冷エリア向け高速鉄道の許容最低温度はマイナス40度で、防雪密閉性、断熱保温性、空調による暖房、水系統の凍結防止などに関する技術的要求も満たしている」と話す。
問題点2:予算は1兆5千億元
鉄道専門家の大まかな算定によると、北京からモスクワに至る鉄道の総延長は7千キロメートルを超え、この高速鉄道に出資するのがロシアであれ中国であれ、建設には一体どれくらいの資金が必要になるのだろうか。
先に発表された研究報告では、高速鉄道の建設コストの計算について次のような見方が示された。海外での高速鉄道の建設修理をみると、1キロメートルあたりのコストは0.5億ドル(約53億円)に達する。中国の高速鉄道技術はコストを抑えることに成功しており、1キロメートルあたりのコストは0.33億ドル(約35億円)だ。