中国の李克強総理は12日、ロシア公式訪問を開始した。中露首相は第19回定期会談を行った後に共同声明に署名。経済・貿易、投資、エネルギー、金融、ハイテク、人的・文化分野の重要な協力文書40件近くの調印に立ち会った。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中露関係の急速な発展を前に、西側メディアはしきりに不協和音を発し、中露協力は脅威をもたらすと騒ぎ立てている。早くも2011年にEUタイムズは、連携して西側に対処し、第3次世界大戦を発動するつもりでさえあると中露を非難した。李総理訪露中も米国メディアは、中露協力について「アジアの近隣国を不安にさせる」と魂胆をもって指摘した。
中露関係はうまくいかないと唱える別のネガティブな論調もある。米仏などのメディアは中露の戦略的協力の深化を、西側から厳しい制裁を受けたロシアのやむを得ない選択を位置づけ、こうした協力は長続きしないとの認識を示し、ロシアが「中国に懐を開いている」のはその場しのぎだと暗に指摘すらしている。
清廉潔白な者はわざわざ口に出さずとも自ずと潔白なのであり、悪意ある曲解によって事実を変えることはできない。中露協力は脅威でないのみならず、反対に世界平和への貢献なのであり、大きな発展の潜在力を備えている。平和と正義を守る方面で中露は理念と訴えを共有している。両国は共に国連安保理常任理事国であり、国連憲章の確立した国際法の基本準則を揺るぎなく守っている。近年、「新干渉主義」が台頭し、西側国は何かというと武力を用い、または武力で威嚇し、世界の不安定性を激化させている。この危険な傾向に対して、中露は各国の歴史、文化伝統、自ら選択した社会・政治制度、価値観、発展の道の尊重を強調し、他国への内政干渉に反対している。これと同時に、対話や協議など平和的方法による問題解決を呼びかけている。中露はシリア問題に関する安保理決議案に数回拒否権を行使することで、無責任な行為が情勢の一層の悪化を招くことを防ぎ、安保理の正常な活動を保障した。
中露は共にファシズム戦争の被害を大きく受けた国であり、自ら戦争を発動しないだけでなく、歴史歪曲と戦後国際秩序破壊の企てに断固反対している。両国はすでに、第2次大戦の欧州とアジアの戦場におけるドイツファシズムと日本軍国主義に対する勝利70周年を慶祝する行事を共同開催することを決定した。